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側弯症のタイプ分類

側弯症は大きく2つのタイプに分類されます。

 

・構築性側弯症

・機能性側弯症

 

今回はそれぞれの特徴についてお伝えしていきます。

構築性側弯症

構築性側弯症とは、背骨そのものの変形を伴う側弯症のことです。

構築性側弯症の約8割が遺伝の影響を受ける特発性側弯症といわれています。

特発性側弯症の発症率は人口の2~3%で女性に多いです。

 

特発性側弯症の場合は、典型パターンと呼ばれる特徴的なカーブを作ることが多いです。

・胸椎右凸(左側屈)、腰椎左凸(右側屈)

・胸椎右回旋、腰椎左回旋

 

胸椎については本来のカップリングモーションは左側屈するときには左回旋であるはずなので、特発性側弯症の場合はカップリングモーションが崩れているということがわかります。

背骨にカップリングモーションが起こるためには背骨のS字カーブがあることが重要なのですが、特に特発性側弯症については、S字カーブが失われるフラットスパインの状態になっているケースが多いです。

機能性側弯症

機能性側弯症は構築性と異なり骨そのものの変形はなく、何らかの原因により二次的に起きた側弯です。

 

原因としては、

・日々の生活習慣、姿勢

・スポーツによる偏った動き

・脚長差などの骨格特性

などが考えられます。

 

特発性側弯症の発症率は人口の2~3%と述べましたが、60歳以上の78%に側弯を認めたとの報告もあります。

それだけ私たちの身体は日々の習慣による影響を受けていることがわかると思います。

また、特発性側弯症の方にも機能性の要素を持っている方も多いです。側弯症が多因子遺伝病と呼ばれるのはそのためとも考えられます。

さらに、機能性側弯症であった方が経過の中で骨の変形が生じ、構築性側弯症へと移行するケースもありますので、注意が必要です。

側弯症への対応について

特発性側弯症と機能性側弯症では、それぞれ対処方法が変わってきます。

 

特発性側弯症

→変形の修正方向への運動療法と装具。または手術による矯正。

機能性側弯症

→変形の原因を追究し、その要素の除去と運動療法の実施。

 

いずれにしてもアセスメントが非常に重要になります。

側弯症に対しての運動療法にご興味のある方はぜひご相談ください。